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消化器外科・移植外科インタビュー

INTERVIEW

消化器外科・移植外科 診療科長

河地 茂行

[専門領域] 肝胆膵外科 / 移植外科 / 内視鏡外科

消化器系疾患に対する
「ラストホープ」として、
地域の基幹病院と
先進医療の二つの役割を担う

八王子医療センターの消化器外科・移植外科は、高い技術力と他科との密な連携により、他院では治療不可能とされた患者さんも積極的に受け入れ、地域における最後の砦となれるように診療に取り組んでいます。専門性の高い肝移植や、がんゲノム医療などの先進的な医療にも注力しています。

高難度な専門医資格を保有する医師が多数在籍

当科では、消化管と肝臓、胆道、膵臓など幅広く消化器系の疾患を対象に治療を行っています。南多摩医療圏の「ラストホープである」という自覚を皆が持ち、門戸を常に広く開いています。

初診の患者さんも毎日受け付けているほか、外傷や腹部救急疾患に対しては、第三次救命救急医療機関として、常に緊急手術の対応が可能な体制を整えております。

肝胆膵外科手術は高難度手術となるため、経験豊富な専門医がいる手術症例数の多い施設で受けることが重要です。当院は肝胆膵外科手術の高度技能専門医を指導する修練施設として認定されており、高難度の肝胆膵外科手術を数多く手掛けています。

高度技能専門医とは、消化器外科手術の中でも特に難易度が高いと言われる肝胆膵外科手術を、より安全・確実に行える外科医を育てるために、日本肝胆膵外科学会が認定するものです。高度技能専門医になるためには、諸条件が整った修練施設で経験を積む必要があります。修練施設は現在東京都内には31施設しかなく、八王子市だと本院のみになります。日本の消化器外科医が目標とする高難度な資格の一つで、ビデオ審査を伴うなど認定のハードルが高く設定されています。

合併症のがん患者も受け入れる

高齢者であれば、糖尿病や心臓疾患など、すでに何らかの基礎疾患を持っている方が多いと思います。このような患者さんががんの治療を行う場合は、それぞれの病態にあわせて適切に治療を進めなくてはならず、単科病院では治療が難しいことがあります。例えば糖尿病の合併症をお持ちであれば、がん治療に際し、血糖コントロールを行うことは必須で、血液さらさらのお薬を飲んでいる方の場合は、出血しやすい副作用があるため、計画的な休薬が必要になることもあります。

当院の場合、消化器外科のほかに循環器内科や糖尿病・内分泌・代謝内科、脳神経外科内科などあらゆる診療科があり、合併症を持つ患者さんを受け入れる万全な体制が整っています。また、いわゆる大病院のように診療科間の垣根が高くなく、他科の医師とも常日頃から情報交換しスムーズな連携がとれているため、合併症を持つ患者さんにより安心・安全な医療を提供できます。

他科と連携し高難度手術を実施

消化器系のがんの中でも肝胆膵領域の場合、臓器の近くに肝動脈や門脈などの太い血管があり、浸潤しやすいため、発見時には既に切除不能と診断されることも少なくありませんでした。けれども近年のがん治療の進歩に伴い、以前なら切除が難しかった肝胆膵領域のがんであっても、術前や術後に化学療法を行う集学的治療とあわせて血管合併切除を行うことで、根治的な治療が可能になってきています。血管合併切除はリスクを伴う高度な手技ですが、当院では心臓血管外科の医師と連携することで、ハイレベルな再建手術を実施しています。医療技術が進んだことで、以前であれば難しいとされていた手術においても現場での経験が豊富になり技術もさらに向上しています。以前は救えなかった患者さんでも治療可能なケースも増え、他院では治療が難しいといわれた患者さんに対しても、最適な治療法をご提案できます。

腹腔鏡・胸腔鏡による低侵襲手術で、患者への負担を少なく。
内視鏡手術のエキスパートが多数在籍

当院では開腹手術のほか、腹腔鏡による低侵襲手術も当院では多数行なわれています。その適応は胆石症や鼠径ヘルニアなどの良性疾患、急性虫垂炎などの急性腹症のみならず、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、転移性肝癌などの悪性疾患に対しても適応を広げています。当院の常勤医の約半数は日本内視鏡外科学会が認定する内視鏡外科技術認定医の資格を持っている内視鏡外科手術のエキスパートであり、どの分野の内視鏡外科手術にも対応できる体制が整っています。

最先端医療で多くの患者を救っていきたい

生体肝移植は、健康なドナーの肝臓の一部を切除して患者の肝臓と取り替える手術であり、末期肝硬変に対する唯一の根治治療です。最近では肝硬変のほか、肝臓がんに対する生体肝移植や、ABO血液型不適合間での生体肝移植も手掛けています。肝移植は、侵襲が大きい高難度の手術ですので、実施できるのは大学病院など一部の大病院に限られます。当科は多摩地域でも数少ない生体肝移植が可能な施設として、専門チームによる生体肝移植を2012年より開始し、症例を着実に積み重ねております。日本臓器移植ネットワークが定める膵移植実施施設の一つでもあり、腎臓病センターと協力して、Ⅰ型糖尿病患者であらゆる治療手段によっても血糖値が不安定な患者や、腎不全に陥ったⅠ型糖尿病患者に対して、膵(膵腎同時)移植の実施準備を行っています。

2021年にはがんゲノム医療連携病院の指定を受け、遺伝子パネル検査など患者さんのご希望にお応えてしております。医療の進歩に追随して、治療方針決定に役立つ情報を提供し、患者さんが納得行く治療を受けられるような体制を整えています。

地域の医療機関ともしっかり連携

より安全で合理的な医療をご提供するために、胆石症や鼠径ヘルニアを始め、胃癌、結腸癌、膵臓癌、肝臓癌など頻度の高い手術においてはクリニカルパスという標準的な治療の計画表を用いています。患者さんにとっても治療の過程が理解しやすく、入院期間も最小限に留めることができます。入院後の在宅医療や緩和ケアの必要な患者さんに対しても、地域クリニックや療養型病院との病診あるいは病病連携をしながらシームレスな医療の提供に積極的に取り組んでいます。
消化器系の疾患で悩んでいる患者さんがいらっしゃったらまずは当科へご紹介ください。

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