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小児科インタビュー

INTERVIEW

小児科 診療科長

石田 悠 

[専門領域] 一般小児科 / 小児神経疾患 / てんかん / 神経発達症

子どものコモンディジーズから専門性の高い医療まで
広範な小児医療ニーズに応える

八王子市で唯一の三次救命救急センターとして、地域の小児救急医療を支えています。けいれん重積などで搬送された場合も、そのまま精密検査を行って入院まで可能。 大学病院ならではの特性を活かした専門性の高い小児科診療を提供しており、小児内科全般を幅広く診療可能です。基礎疾患などで他院での対応が難しい場合でも、積極的に患者さんを受け入れています。小児疾患の診断・治療にとどまらず、より健康でより過ごしやすい小児期を送れるよう、親御さん、地域医療機関の皆さんと協力し合い、お子さんをサポートいたします。

神経や発達の病気やアレルギー性疾患など、高い専門性を要する小児医療に対応

当科では専門性の高い小児医療ニーズにお応えするべく、リウマチや腎臓、内分泌、循環器などの疾患を扱う専門外来を設けています。特に重点を置いている分野の1つが、神経や発達の疾患です。小児神経専門医やてんかん専門医の資格を取得した医師が在籍し、脳波検査はもちろん、夜間ビデオ脳波検査の設備も完備しています。アレルギーに関してもアレルギー専門医が複数名おり、食物アレルギー負荷試験をはじめとする検査から治療まで一貫して対応しています。薬剤の塗り方や吸入薬の使い方、体の洗い方などの説明が必要な場合には、小児アレルギーエデュケーターの資格を持つ看護師が熱心に指導させて頂いております。

新宿本院の小児科や院内他科と連携し、迅速な診断・治療を実現

先日、重篤なてんかんの疑いがある乳児を診療する機会がありました。親御さんが異変に気づいてかかりつけ医を受診し、当科で脳波検査を行ってウエスト症候群と診断、翌週には入院の上で精密検査を行いました。その後は新宿の本院に転院となりましたが、7~10日ほどの入院で無事に発作が治まり、脳波異常も見られなくなって退院することができました。ウエスト症候群は1カ月放置すれば発達が退行するため、今回のケースのように紹介から検査・診断がスムーズかつスピーディーに進んだのは幸いでした。
新宿にある本院(東京医科大学病院)の小児科と迅速に連携し、適切なタイミングでより高度な治療を提供できる点も当科の特色であり、ご家族のストレスも最小限に抑えることができたと感じています。国内でも限られた医療機関でしか使えない薬剤を使用できたことも、今回のケースで功を奏したと言えます。小児を診療するのは小児科医ばかりとは限らず、内科の先生方におかれましても、小児を診る機会があることと思います。ウエスト症候群のように、医学知識として認識していても、日ごろ診療する機会の少ない小児疾患であれば見極めるのが困難なこともあるかもしれません。症状が長引くなど、対応しかねる状況が生じたら早めにご連絡ください。

本院との連携の事例をあげましたが、当院の中においても院内連携が非常にスムーズな点も大きな強みであると言えます。例えば、てんかんであれば脳神経内科や脳神経外科の医師と密に情報交換を行いながら診療しています。小児科で診ていたお子さんが、成長後は脳神経外科・内科にかかるなど、同じ病院の中で連続的に関わっていくこともあります。そこまで長期にわたって受診するお子さんはごく一部ではありますが、他院に比べるとかなり多いほうだと思います。

ちょっとしたことでも、いつでも気軽に。
開業医からの相談に柔軟に応じる小児科でありたい

相談・紹介を受ける小児疾患のうち、最も多いのは感染症です。発熱が長引いて改善しないなど、入院適応の可能性がある場合に当科までご連絡いただければ、即対応する体制を整えています。
中でもできるだけ早くご相談頂きたいのが、生後3カ月未満の乳児で発熱やけいれんを起こした場合です。特に、発熱がないのにけいれんを起こしたときは速やかに当科にご紹介頂きたいと思います。
発熱、けいれん以外にも、アナフィラキシーのように重篤な状態のほか、喘息やアトピーの症状が改善しない、食物アレルギーで検査値が高いなど、アレルギー性疾患についても是非ご相談頂ければと思います。セカンドオピニオンと同じような位置づけでお考えいただき、ちょっとしたことでも気軽にご相談ください。専門性が高い精密な検査を受けることで適切な治療方針が定まることも多くあります。

専門的な医療は当科、普段の診療は地域の先生方。
役割分担と情報共有により、二人三脚で子どもたちの健康を守る

紹介されたお子さんについて、専門的な医療を要する疾患は当科で責任をもって担当します。一方で、風邪のような軽い病気や気管支喘息への日常的なフォローなどは開業医にかかって頂くように親御さんにお願いしています。かかりつけ医と当科の役割を明確に分けつつ、一緒にフォローする体制をうまく運営したいと考えています。そのためには密な情報共有が欠かせません。入院されたお子さんが退院する際はできるだけ速やかに、ご家族経由で、あるいは郵送で状況をご報告するように心掛けています。

また、地域医療機関との情報共有の場として、八王子医師会の小児科部会など、定期的に開催されている勉強会も非常に大切にしています。そこでは症例発表だけでなく、現在であれば新型コロナウイルス感染症に関する情報など、旬のテーマも扱います。先日の勉強会では、大規模災害下の小児医療についてお話ししました。大規模災害が発生した場合、当院は災害拠点病院として救命救急センターを中心に機能することになります。当科は東京都から地域災害時小児周産期リエゾンの指定を受けており、有事の際には小児医療に関するコーディネートを担当します。例えば、南多摩地域の医療機関の被災状況を調べ、どの医療機関が受診可能なのかといった情報を集約します。避難所の保健衛生にも関与し、おむつが不足していないか、アレルギー用の食事はどこで入手できるかなど、多岐にわたる情報を扱います。災害時は当科でこうした情報の一元化および発信を担い、有益な情報を地域の医療機関と迅速に共有するよう尽力します。

きめ細かな観察と説明で不安を取り除き、
ご家族や地域の先生方とともに子どもの成長を見守る

お子さんの入院時はご家族が付き添うことができない上、コロナ禍では面会にも制限が生じる事態となりました。感染症指定医療機関である以上は致し方ないものの、お子さんはもちろん、親御さんにとっても面会できないのは非常につらいことです。病状説明時に少しでも顔を合わせる時間を作るように配慮するほか、1日をどんなふうに過ごしていたか、お子さんの様子をできるだけ詳しくお伝えすることも徹底してきました。

そのために必須となるのが、お子さんをよく見ること。てんかん発作や発達障害などのあるお子さんであれば、日常生活を支障なく過ごせているか、学校で困っていることはないか、早く察してあげなければなりません。生活習慣病のような、親御さんも気づいていない病気が潜むこともあるので、外来・病棟を問わず全身を見て主訴以外にも目を向け、隠れた病気を拾い上げるよう努めています。

長く担当してきたお子さんが元気になって外来を卒業するときは、送り出す寂しさがある反面、やり甲斐を感じる瞬間でもあります。子どもの病気を診るだけではなく、成長を見届けることも私たちの役目であると肝に命じ、親御さんや開業の先生方と一緒に成人期への橋渡しを支えてまいります。

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